膝蓋骨脱臼grade3-4の症例の手術を行いました。
手術は東京から高瀬先生に来ていただき、執刀していただきました。
両足の手術を行いましたが、手術がとても早くて驚きです。
左が高瀬先生、右が院長です 膝蓋骨が大腿骨の真ん中に乗っています
高瀬先生の病院の滞在時間、約2時間半でした(忙しいお方なのです)。
術後の回復も早く、3日後にはよちよち歩ける様になっておりました。
膝蓋骨脱臼の手術適応基準は、獣医師によって異なる部分がありますが一般的には下の様になるみたいです。
・grade1:経過観察
・grade2:症状が無い→経過観察、症状がある→手術
・grade3,4:手術
(Veterinary Surgery small animal, 2nd ed., Elsevier, 2018)
この他に、犬種、症状の大小、家庭環境、麻酔や手術に対するご家族のお考えなども十分に考慮して適応を判断しなければならないと思います。
では放置しておくとどうなるのかというと、関節炎が起こります。
関節炎が起こると関節液の粘りがなくなり、クッション性が失われます。
そしてさらに関節に負荷がかかります→痛みの増悪
また、関節内外の靭帯がもろくなり、損傷や断裂のもととなります。
膝蓋骨脱臼整復の手術には、その様なさらに厄介な状態に至らないための予防的治療という側面もあるのです。
ご参考になれば幸いです。