理由によりますが、子どもを産ませたくないということであれば
a)卵巣子宮摘出術を行う
b)薬物投与により着床を防ぐor 堕胎する
という方法があります。
今後子どもを産ませるつもりがない → a)
産ませるつもりがあるのであれば → b)
という方針になると思います。
私個人としては、繁殖に慣れていない方の出産はリスクが大きく、積極的にオススメしておりませんので、a)をオススメすることが多いです。
また、人間社会で共生するに当たって「生殖器を残しておくけど繁殖はさせない」という状況は性的な欲求の不解消や生理的変化によるストレスを一生残し続けるということになりますので、それは無意味で可哀想かなと考えるからです。ここはいろいろな考え方があると思います。
その他にも不妊手術を行うことの利点はこちらに記載しておりますのでご参照ください。
不妊手術が事情により行えない場合はb)を選択いたします。この場合、Alizinという注射薬を用います。
Alizinは日本では未認可ですが、海外で一般的に使用されている動物用薬であり、プロスタグランジン(黄体ホルモン)に拮抗して子宮を黄体期から脱させます。プロスタグランジンは妊娠を維持するためのホルモンです。
ワンちゃんもネコちゃんも、24時間ごとに2回のお注射で高い確率で着床を防げます。
安全性も高いことがわかっておりますが、副作用として食欲不振、興奮、沈鬱、下痢が報告されております。
ちなみに、Alizinは子宮蓄膿症の内科的治療薬でもあり、高い反応性が期待できますが、基本的に内科的治療後は再発しやすくやはり卵巣子宮摘出術が第一選択となります。
ご参考になれば幸いです