一転して雪が降って参りましたね!私は雪国出身なので雪は好きで、ウィンタースポーツも得意な方です☃️

前回のお話の続きですが、ここ数週間は関節疾患が多いです。気圧が下がると関節が痛むのかも知れませんね。

とはいえ、関節疾患は多くの動物病院で診療の大部分を占めると思われます

人間も日々生活する中で捻挫したり腰を痛めたりすること、多いですよね。私も大学時代に膝を痛めてからずっと痛みと軋轢音(ゴリゴリという音)と付き合っています。

ここ1ヶ月で股関節脱臼、膝蓋骨脱臼、前十字靱帯断裂、特発性免疫介在性多発性関節炎、スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症などの病気を拝見させていただきました。

この中で、股関節脱臼と前十字靱帯断裂症例の患者様は、慢性的な関節疾患をお持ちでしたが、どちらも今までお気づきではありませんでした。

関節疾患は、徐々に進行したり複数の関節が罹患してしまうため「歳を取ったから動きが鈍くなった」と考えられる場合も少なくありません(実際、12歳以上の猫は90%以上が何らかの骨関節症を持つと言われています)。

そうして痛みを「かばう」ような歩き方をしていると、こちらの症例のように別の関節に負担をかけてしまい新たな関節疾患を引き起こしてしまうことがあるのです。

多発性関節炎の子は急に発症し、ほとんど歩けないような状態でした。原因不明でセカンドオピニオンとして当院を受診されました。

お熱があり、明らかに両方の手首を曲げるときに痛がりました。

レントゲン、血液検査から多発性関節炎が疑われ、リウマチ因子、抗核抗体、関節液細胞診及び細菌培養検査を行い、特発性免疫介在性多発性関節炎と診断しました。

関節液は本来粘り気(=クッション性)があるが、本症例はほとんど粘らない

ときには関節の痛みでもこのように複数の検査を行わなければ診断がつかないこともあります。

積極的に検査をしていただき、診断後すぐに適切な治療を行えましたので現在は普段通り歩けるようになりました。

治療前。トボトボとしか歩けませんでした。
治療開始より1週間。とっても元気になりました。

ちなみにリウマチの場合は軟骨が進行性に破壊され、将来的に脱臼してしまうため恒久的に歩くことができなくなる場合があります。そのためできるだけ早い治療介入が必要になります。

✅最近動くのを嫌がる
✅毛繕いをしなくなった
✅トイレの外で排便/排尿してしまう
✅寝起きに足をかばう

などの様子があれば関節疾患かもしれません。

お気づきの点があれば、ぜひ一度ご相談ください。

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