こんにちは、院長です。

私は眼を診察するのが得意ですが、ブログではまだお話していなかったことに気づきました。

さて、救急疾患と聴くと何を思い浮かべるでしょう?

呼吸困難、高エネルギー外傷、心肺停止…

おそらくそういったイメージが多いと思います。

即座に命に関わりはしませんが、眼にも救急疾患があります。

それは、即座に治療を開始しなければ失明に至る様な状態や、激しい苦痛を伴うものです。

例えば
・急性緑内障
・角膜融解症
・眼球脱出
などが挙げられます。

角膜融解症、ってなかなか聞き馴染み無いと思います。

それゆえに、結構治療が遅れてしまうことが多い病気ではないかと考えています。

実は、角膜ってものすごく再生が早い組織なのですが、破壊されるときも急速に進行してしまうのです。

例えば、鋭いものに眼をぶつけて少々角膜が傷ついたとしても、次の日にはケロッと治ってしまったりします。

一方で、その傷に感染が広がったり、不適切な治療をおこなったりすると、2、3日でドロドロに溶けてしまうこともあるのです。

次の子はその一例です。

角膜が白く濁り(浮腫)、不整。右斜め上に大きな潰瘍があり、薄い膜(デスメ膜)が出っぱっている(デスメ膜瘤)
模式図だとこんな感じです。逆にわかりにくい…?

このデスメ膜瘤まで至ってしまうと、内科的治療はかなり困難になります。かつ角膜融解症を併発していた場合、すぐに外科治療を行うことさえ困難になります。

しかも少し触れただけで破裂してしまい、眼がしぼみ、修復不可能になってしまうこともあります。

眼をしょぼしょぼさせる、開けづらそうにしている、涙が急に出てきたなどの症状が見られた場合は、すぐに病院で診てもらってください

角膜潰瘍はすぐに適切な治療を行えば、角膜融解症まで至ることはほとんどありません。

きらきらした健康なお目々を守るために、どうかよろしくお願いいたします。

それではお大事にしてください!

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