みなさんこんにちは。院長の角田です。
今回はノミのお話をしようかと思います。
地域にも寄るのかもしれませんが、私のこれまでの経験からすると
マダニ寄生よりノミ寄生の方がよく見かけます。
マダニを予防する理由は前回お話した通りですが、実はほとんどのマダニ予防薬は
ノミの予防が同時にできます。
さて、「なぜ」ノミの予防をするのか、ですね。ノミの生態などはここでは割愛します。
ノミ寄生でまずとても嫌なのが、アレルギー性皮膚炎を引き起こすことです。
かゆみのレベルは疥癬症と同じ最大レベルに達することもあります。当然、寄生された動物の生活の質は低下します。
忘れがちですが、人間も刺されますので、人間もノミアレルギー性皮膚炎を引き起こします。
ひどい方は大きな水膨れができてしまうこともあります。
また、やはりノミも病原体を媒介するのですが、よく知られているのはバルトネラでしょうか。
いわゆる「猫ひっかき病」ですが、ワンちゃんの咬傷から感染することもある様です。
バルトネラを保有した動物から受けた傷からバルトネラが感染すると、リンパ節がパンパンに腫れるイメージですが、最悪意識障害を引き起こすこともある様です。
瓜実条虫というサナダムシの仲間も媒介します。ノミが居たら瓜実条虫も居ると思ったほうがいいんじゃないかと思うくらい、よく見る寄生虫です。基本的にノミとイヌ、ネコで生活環は成り立っているのですが、どうもヒトにも稀に感染するみたいです(http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0810040456.pdf)。それにしてもこの報告にある幼児はただただ可哀想ですね…。
実は、ノミに重度寄生されると、貧血になります。結構危険です。重度のかゆみのダブルパンチで元気もなくなっちゃいます。
マダニほど危険な病気を媒介するイメージではありませんが、なかなかに生活の質を下げてくる厄介者だと思います(因みにネズミノミはペストを媒介するので超キケンですね)。
一度家に持ち込んでしまい、増えてしまった場合、すでに卵が家の中に落ちてしまっています。これをゼロにすることは困難です。やはり持ち込まないように予防することが大事と言えるのではないでしょうか。