みなさんこんにちは
院長です。
今日はものすごい雨で、入り口の風除室が浸水しておりました🫠
今年は暑いせいか、アレルギー性皮膚炎がワンちゃん、ネコちゃんともに多いです。
まだ暑くなるちょっと前に、こんな相談がありました。
「身体中に黄色い瘡蓋ができて、内服と抗生剤軟膏を何ヶ月も使用しているが、良くならない」
内服の内容はステロイドとシクロスポリンを1日ずつ交互に
外用薬は抗生剤軟膏
という事でした。
この様に非常に慢性的な経過で、様々な投薬を受けている場合はかなり診断が難しくなるのですが、まず基本に立ち戻り皮膚検査を行います。
これは皮膚の膿を顕微鏡で見た写真ですが、ここからわかることは「細菌感染が無い」ということです。
膿んでいる、でも細菌が居ない
これはかなり妙なことで、自己免疫性疾患や皮膚の腫瘍性疾患を疑います。
次の週に皮膚生検(一部皮膚を切り取って調べる検査)を行いました。
病理検査から返ってきた診断名は
天疱瘡
これは皮膚の接着分子が自分の免疫に破壊されてしまう病気で、免疫抑制量のステロイド、その他の免疫抑制剤が必要になります。また抗菌薬は必要ありません。
すぐに適切な治療を開始いたしました。
その後の変化が次になります。
すぐに綺麗になりました!3ヶ月での変化です。
この様にガビガビした瘡蓋を伴う皮膚炎でお困りの方は、一度皮膚生検をしてみると良いかもしれません。
中には皮膚型リンパ腫という怖い病気が隠れていることもあります。
ご参考になれば幸いです。