こんにちは、院長です。
最近当院で、白内障に関連した緑内障の診察が続いております。
80歳以上の人間のほぼ100%が大なり小なり白内障に罹患するらしいです。
動物でも高齢になるほど罹患しやすくなる傾向ですが、白内障の発症要因として
加齢
外傷
遺伝
放射線
先天性
糖尿病
中毒
などさまざま挙げられます。
加齢性以外の糖尿病は若くして発症することもあるという事です。
白内障は視覚が奪われる、と言うイメージですが、実は白内障に罹患したその瞬間から
水晶体起因性(誘発性)ぶどう膜炎(略称LIU)
という疾患のリスクを負うことになります。
ぶどう膜炎は簡単に言うと、眼の中で炎症が起きてしまうことです。
白内障化した水晶体は体内で異物のような認識を受け、免疫反応が起きてしまうため発症します。
これを放置しておくと、今度は水晶体脱臼や続発性緑内障を発症することになります。
緑内障とは簡単に言うと、眼の中の圧力がグングン上昇し眼がパンパンになっていく疾患です。
ぶどう膜炎も痛いのですが、緑内障はさらに痛みは増し元気食欲は全くなくなってしまうこともあります。
即ち、白内障の管理とはこの
LIUにさせない
ということが一つの内科的管理の目標になるわけです。
LIUにさせないためには、まさしく「炎症を抑える」治療が必要になります。
LIUになる前から始める方が良いと言われております。
治療開始の基準ははっきりと決まってはおりませんが、飼い主様が気づく程眼が白くなってきた場合は要注意です。
眼が白くなったらまず眼の検診を受けてみましょう。
ご参考になれば幸いです。